言語聴覚士を目指す

言語聴覚士になるには

言語聴覚士の資格取得について

言語聴覚士になるは、法律に定められた教育課程を経て国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。試験は毎年3月に行われ、合格率は50~60%台で推移しています。

最終的には国家試験に合格しなくてはなりませんが、国家試験の受験資格を得るには必要な知識と技能の習得が義務付けられています。

高校卒業者の場合は、文部科学大臣が指定する学校(3~4年制の大学・短大)または都道府県知事が指定する言語聴覚士養成所(3~4年制の専修学校)を卒業することで受験資格が得られます。

一般の4年制大学卒業者の場合は、指定された大学・大学院の専攻科または専修学校(2年制)を卒業することで受験資格が得られます。

言語聴覚士資格取得のための一般的なコース

以上が一般的なコースですが、言語聴覚士の養成に関わる一定基準の科目をすでに習得している者を対象とした指定校(1年制)もあります。また、外国で言語聴覚士に関する学業を修めた者の場合は、厚生労働大臣の認定が得られれば受験資格が取得できます。

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幅広い知識を習得

養成教育の現場では、基礎・専門基礎科目として言語・コミュニケーション行動に関連する医学、心理学、言語学、音声学、音響学、社会科学などを学びます。

また、専門科目として言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語・嚥下障害学、聴覚障害学などを学習します。

さらに、病院、リハビリテーションセンター、小児の療育施設などで臨床実習を行い、言語聴覚障害がある方を支援するのに必要な知識・技術・倫理を修得します。

豊かな人間性も、必要

言語聴覚士が対象とするのは、お年寄りや幼児、後遺症で悩む方々など様々です。

それぞれ思い通りに表現することができず、もどかしい気持ちでいる場合がほとんどです。

こうした臨床現場では、知識や技術はもちろんのこと、観察力や想像力、患者さんに的確に伝えるための表現力が必要です。

また、つねに冷静に接し、適切な信頼関係を築くことも必要となります。患者さんの思いを受け止めることのできる、豊かな人間性が大切になるのです。

幅広い知識を取得
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先輩の声

佐々木 蘭子

佐々木 蘭子(17年目)

所属:春日居サイバーナイフ・リハビリ病院

退院後もお手紙をいただいたり、病院に元気な姿を見せに来てくれたりすることが私にとっても原動力になっています。

インタビューを読む

  • ◆ STになったきっかけは?

    “人の役に立つ仕事がしたい!”幼い時から何となく思っていました。4世代7人家族という今では珍しい家庭環境で育ち、家族全員が見守る中、自宅で曾祖母を看取りました。当時は当たり前だと思っていましたが、その時の経験が医療の仕事に就きたいという想いにつながりました。言語聴覚士という仕事に興味を持ち始めたのは、中学の時、姉が医療従事者を目指したことがきっかけでした。自分なりに調べていくうち、コミュニケーションという楽しみのひとつであることに困難を抱えた方の手助けができればと思い、この職種を選択しました。
  • ◆ この仕事のやりがいは?

    患者さまの“笑顔”や“ありがとう”といったことばを聞けること。当院は回復期病院ですが、重症の患者さまも多く入院されています。そんな患者さまが少しでも微笑んでくれた時、片言でもことばが話せたときには喜びを感じることができます。また、退院後もお手紙をいただいたり、病院に元気な姿を見せに来てくれたりすることが私にとっても原動力になっています。いただいたお手紙やお葉書は大切にしています。これからも一つひとつの出会いを大切にし、学ぶことを忘れずに臨床に励みたいと思います。
  • ◆ これまでに一番印象に残っている患者さんとの出来事は?

    先日、一組のご夫婦が病院を訪ねてくれました。毎年のように訪ねて来てくれ、クリスマスカードや年賀状もいただきます。入院当初は記憶も曖昧な状態で、ご家族とスタッフの顔を見分けることも難しい状態でした。退院が近づき、ご家族に後遺症について説明させていただいた際に、涙ぐまれたことを今でも鮮明に覚えています。その後、サービスを利用しながら在宅復帰をされました。数か月後、初めて病院にいらした際に、廊下の端から「先生!」と呼びかけてくれました。その時にはご家族よりも病棟スタッフの名前や入院時の出来事など、しっかりと覚えていました。キラキラした笑顔で呼びかけてくれた姿に思わず、駆け寄って抱き合ったことは忘れられません。

佐々木 蘭子 仕事の様子

取材日:2018年9月

林 芳弘

林 芳弘(5年目)

所属:永生病院リハビリテーション部

ご本人やご家族の笑顔がみられたり、「ありがとう」と言ってもらえたりする度に、この仕事を選んでよかったと心から思えます。

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  • ◆ STになったきっかけは?

    私が「言語聴覚士」という仕事を知ったのは、高校生の時です。
    元々、漠然と「将来は人の役に立つ仕事がしたい」と考えていたのですが、親戚の入院をきっかけに話すことや聞くこと、読むこと、書くこと、食べることを専門とした職種があることを知りました。人間にとって大切な活動であり、それらが難しくなった方の役に立てる「言語聴覚士」という仕事に大きな魅力を感じ、資格の取れる大学へ行くことを決心しました。
  • ◆ この仕事のやりがいは?

    大学卒業後、医療機関に就職し、5年目になります。慢性期の病棟で4年間働いた後、現在回復期の病棟で働いています。これまで多くの患者様を担当させて頂いてきましたが、患者様ひとりひとり症状が異なり、希望も目標も様々なので、悩むことばかりです。その人の人生に関わることができるのは非常に責任を感じるとともに、大きなやりがいも感じます。ご本人やご家族の笑顔がみられたり、「ありがとう」と言ってもらえたりする度に、この仕事を選んでよかったと心から思えます。
  • ◆ これまでに一番印象に残っている患者さんとの出来事は?

    慢性期の病棟で働いていたとき、認知症で嚥下障害が重い患者様を担当させて頂いていました。コミュニケーションが難しい方でしたが、主治医や病棟スタッフ、ご家族と協力しながら様々な工夫をして少しでも「口から食べる」ことに挑戦しました。普段はほとんど意思の表出をされない方が、わずかに笑顔になり「美味しい」と仰った瞬間は、今でも忘れられません。この仕事をしているからこそ味わえる感動でした。

仕事の様子 林 芳弘

取材日:2018年9月

南條 百合香

南條 百合香(1年目)

所属:博悠会温泉病院 リハビリテーション部

話すことの楽しさや嬉しさを一緒に分かち合うことができることは、言語聴覚士の仕事の魅力だと思います。

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  • ◆ STになったきっかけは?

    私は高校生の時、専門学校のオープンキャンパスに参加し、「言語聴覚士」という仕事を知りました。言語聴覚士の仕事について調べていく中で、コミュニケーションの障害だけでなく摂食嚥下障害というものを知り、関心を持ちました。食べることは人間の基本的欲求であり、生活を送る上での楽しみでもあります。私自身も食べることが大好きで、味覚を感じることができない食物の摂取はとても寂しいと思いました。そこで、口から食べることが難しくなった方への手助けができる言語聴覚士に魅力を感じ、専門学校へ進学することを決めました。
  • ◆ この仕事のやりがいは?

    専門学校を卒業し、医療機関に就職しました。回復期・慢性期の病棟で患者様を担当させていただいています。患者様の症状は人それぞれ異なります。問題点を見つけ、目標を設定したり、リハビリのプログラムを立てたりする上で日々悩むことは多いですが、先輩方や他職種の先生方にアドバイスをいただきながら、患者様と向き合っています。患者様の笑顔が見られた時や、「ありがとう」と言っていただけた時は私も嬉しくなり、やりがいを感じます。
  • ◆ これまでに一番印象に残っている患者さんとの出来事は?

    慢性期の病棟で、失語症・構音障害によりことばを上手く伝えることが難しい方を担当させていただいています。その方は、コミュニケーションはうなずきや身振り手振りで可能ですが、患者様からお話をされることはあまりありませんでした。最近は少しずつことば数が増えてきており、ご自身の名前や思いを他の患者様にことばで伝えることができるようになってきています。喜んでいる笑顔が見られた時は、嬉しく私まで笑顔になりました。話すことの楽しさや嬉しさを一緒に分かち合うことができることは、言語聴覚士の仕事の魅力だと思います。

南條 百合香 仕事の様子

取材日:2018年9月

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